地下埋設配管の腐食損傷診断

 製油所の防油堤貫通配管などの地下埋設配管は、埋設部分に直接接触することが不可能なため、超音波探傷(UT),放射線探傷(RT)あるいは目視検査(VT)など通常の非破壊検査方法を適用し、腐食損傷状態の診断など構造物の健全性評価を供用中に実施することは困難である。
 こうした配管にアコースティックエミッション(AE)法を適用し、腐食に起因するアコースティックエミッション(AE)の発生特性や、配管におけるアコースティックエミッション(AE)波の伝播特性を調べ、さらに実配管で得たアコースティックエミッション(AE)試験結果とUT,VTなどの試験結果を比較・対照するなど、組織的な調査を実施することにより、埋設配管におけるアコースティックエミッション(AE)法の腐食損傷診断への適用性が検討されている。
 これまでに、室内で実施した実験により、表面に厚い腐食生成皮膜の形成された試験片の食塩水中における腐食進行過程で、大きな振幅値を持つアコースティックエミッション(AE)信号の発生することが確認され、腐食過程で発生するアコースティックエミッション(AE)信号の主周波数成分は、20〜100kHzの周波数帯域であることが示されている。
 また、異なる条件下にある配管におけるアコースティックエミッション(AE)は伝播試験により、防食用テープで被覆された埋設配管において、2個のセンサー(例えば30kHz共振型)を4mのセンサー間距離で配置することにより直線位置標定が適用可能であることが確認されている。
 一方、製油所において、写真に示されるように供用中の13本の実配管に対してアコースティックエミッション(AE)計測を実施し、その後UT厚み測定、および目視(VT)検査を実施し、アコースティックエミッション(AE)計測結果と比較・対照することにより、両者の間に良好な相関のあることが確認された。したがって、埋設された配管の腐食損傷診断を供用中に行う検査方法として、アコースティックエミッション(AE)法の適用性が高いことが示されている。

文献 : 腐食のAE
文献 : 埋設配管のAE試験

 

配管上のアコースティックエミッション(AE)センサー 地下埋設配管のアコースティックエミッション(AE)試験