ステンレス製円筒容器の加圧試験

 欧米で開発されたMONPACデータベース・評価判定法を適用したものとして、直径4m、高さ38mのステンレス製容器に対して、操業一時停止時に窒素ガスを用いた加圧によりアコースティックエミッション(AE)試験を実施した例がある。図のTEST1に示されるように、加圧時に容器下部鏡板近くにグレードE(最も劣化の進んだ状態と判定)のアコースティックエミッション(AE)源が検出され、後に行われた浸透探傷(PT)試験により、保温材下に外面より生じた貫通SCCクラックの存在することが確認された。その部分は、直ちに一時補修がなされ、後に実施された操業停止時に本格的な補修が行われた。その後容器は酸洗いされ、再び保温材が取り付けられた。2年後に再度アコースティックエミッション(AE)試験を行うと図のTEST2に示されるごとく前回とは異なる部位にグレードD(Eより劣化度は1ランク下)のアコースティックエミッション(AE)源が検出された。引き続き行われた非破壊検査により、これは容器下部の溶接熱影響部に生じた、内面ナイフライン腐食によるものであることが確認された。

文献 : 鋼構造物の腐食損傷評価
文献 : 実構造物のAE試験